知らないことだらけ

午前中に銀行での振込やら明日の挨拶まわりのためのお土産購入やらをなんとか済ませ、午後からは、いつも通り、語学のブラッシュアップと読書に励む。
読んだ中に、田中英夫先生の『英米法のことば』があったわけだが、これが大変勉強になった。

特定の法律用語(英語)を切り口に、英米の歴史と社会を語る古典的な良書である。
取り上げられている言葉の多くは(学部で英米法の講義を受講した学生ならば知っているという意味において)基本的なものであるにもかかわらず、そこで語られる言葉の背景については、まことに恥ずかしながら、知らないことだらけであって、大変得るものが多かった。

そして、現在の私にとって「はじめに」の中で書かれた次のくだりは、深く印象に残った。

外国法の紹介にあたって、それぞれの法律用語の正確な意味を確かめることなく、中くらいの辞典で直訳して訳語を求め、それを日本法の言葉で一見類似のものとほぼ同じ内容のものであるかのように扱うという、「英和辞典と六法全書があれば何でも判る」式の安直な道が選ばれる例が間々見受けられるのは、残念である。

正直なところ、ここ数ヶ月、とにかく量を読むことに意識を置きすぎてしまい、一番大切な、そして決して忘れてはいけない前提をおざなりにしてしまっていた。

自戒の意味を込めて、ここに残しておくことにする。