吉増剛造の世界

本当は休みの日もしっかり仕事に関係する本を読まないと自分の勉強不足は補えないわけだけど、自分に甘い私は休日くらい仕事とは関係のない本をじっくり読みたいとついつい思ってしまう。

今日は、そんな気の向くままに、お気に入りのソファーに寝っ転がりながら、吉増剛造の詩集を読むことにした。

私の業界では、クリエイティブな人間よりも、事務処理能力に長けた人間の方が、「頭が良い」と評価されることが多い。
たしかに、正鵠を射ている部分もある。
クリエティブな部分よりも、要領が求められることの方が多いのは事実だから。
けれども、それでも私は、要領の良い人間よりも、時間をかけてでもゼロから1を生み出せる人間をリスペクトする。

吉増剛造の詩を読んでいると、自分の感じたことを人に伝えるためには、自分にしか書けない言葉・文章で書くしかないんだ、ということを切に実感する。
同時に、同じものを観て、他人と同じことしか感じられなければ、所詮は同じことしかできないことに気づく。

最近、「誰がやっても同じ」という言い訳を良く耳にする。
たしかに、私の業界では、結果だけみれば、誰がやっても同じという仕事が多いことも事実。
けれども、本当にそうなのだろうか。
私たちの仕事は、そのプロセスにおいて、できる人間とできない人間の差がついているのではないか。

吉増剛造の詩を読んで、そんなことを考えた。